「オルソケラトロジー」とは、近視・近視性乱視の方のための、手術のいらない視力矯正治療法です。

日本ではレーシックほど知られていませんが、アメリカやヨーロッパ、アジア諸国を中心に、世界各国で安全性・有効性が認められ、治療が行われています。

オルソケラトロジーは、未成年者を中心に処方されています。最近ではオルソケラトロジーにより眼軸伸長抑制効果が期待できることから、近視進行予防にも有効と考えられています。

また、当院でも処方している0.01％アトロピン点眼とオルソケラトロジー併用で眼軸伸長の抑制(近視抑制)が53％の抑制率があると報告もあります。

Japanese Journal of Ophthalmology 2018

オルソケラトロジーでは「オルソケラトロジーレンズ」という特殊な形状が施された、高酸素透過性の専用ハードコンタクトレンズを夜寝る前につけて、朝起きたらはずします。

就寝中にレンズが角膜の形を変化させ、裸眼視力を矯正するのが特徴です。それにより翌朝レンズをはずした後も、角膜の形状が矯正された状態を一定時間維持できるため、裸眼で過ごせるようになります。

近視とは、外から入ってきた光が、眼の中の網膜より手前で焦点（ピント）が合っている状態です。

近視の矯正には、目に入ってきた光が網膜上でピントが合うように、光の屈折率を変える必要があります。

オルソケラトロジーは、夜寝る前にオルソケラトロジーレンズをつけて、寝ている間に角膜の形状を平らに矯正し、光の屈折率を変化させることでピントが合うようになります。

オルソケラトロジーに使用するレンズは、手術をすることなく角膜の形状を変化させて近視を矯正する医療機器です。

レンズは複数のカーブからなる特殊なデザインとなっており、それによって角膜の形状を矯正することができます。

そのため翌朝レンズを外した後も一定時間効果が持続し（角膜が矯正された状態を保つことができ）、日中裸眼で生活できるようになるのです。

オルソケラトロジーにもメリットとデメリットがあります。この治療がご自身の目の状態や生活習慣に適しているか検討する上で、ご参考にしてください。

• 手術をせずに就寝時にレンズ装用することで日中裸眼にて過ごすことができます。
• スポーツ（特に激しいスポーツ）をする方に向いています。
• コンタクトレンズのわずらわしさから解放されます。
• レンズ装用を中止しますと元の角膜の状態に戻せます。

• 日中裸眼で生活するにはレンズを毎日就寝時に装用する必要があります。
• 治療の効果には個人差がございます。
• 日中裸眼で生活するには日数がかかります。
• 通常のコンタクトレンズと同様にレンズケアが必要となります。

• 角膜の感染やキズ、炎症、角膜内皮障害

当院では、厚生労働省より製造販売承認を受けたオルソケラトロジーレンズ「ブレスオーコレクト®」を使用しています。

• 設計開発から製造販売まで一貫して日本で行われている純国産レンズ。日本人に多い角膜形状に合うようデザインされた日本人向けのレンズです。
  
  
• 東レ社製のしなやかで割れにくい、やわらか素材を使用しており、自然な装用感を体感できるレンズになっております。
  
  
• 酸素透過性が高く、睡眠中も角膜へ十分な酸素が供給できます。

当院におけるオルソケラトロジーの治療費用は以下の通りになります。

初年度費用

両眼：17万円（税込）　　片眼：10万円（税込）

• 初年度費用には、レンズ代金とスターターキット（初回ケア用品やレンズケース）
  定期検査費用が含まれています。定期検査は1週間後、1か月後、3か月後、それ以降は３か月ごとに受けてください。
  
  
• 2年目からは毎年定期検査には別途費用がかかります。
  (年間4回検査費用：15,000円税込　片眼の場合も同様です)　
  
  
• レンズの定期交換時に別途費用がかかります。　※1枚　45,000円(税込)
  
  
• オルソケラトロジーは保険対象外の自由診療のため、治療費用は全額自己負担となります。
  
  
• オルソケラトロジーの治療費は、所得税の医療費控除が受けられます。詳しくは国税庁HPへ。

処方によるレンズの変更：6か月以内　左右ともに1回無料

破損によるレンズの交換：12か月以内　左右ともに1回無料

• 破損交換の際は、必ずレンズの破片が半分以上あることが条件になります。
  
  
• レンズ紛失による保証はありませんので、取扱いには十分ご注意ください。

治療プログラムですので、原則途中解約はできません。
やむを得ない理由による解約による返金(両眼)は、1か月以内80,000円(税込)を返金いたします。それ以降に解約の返金はできません。オルソケラトロジーは、高度管理医療機器を使用する治療のため、クーリングオフの適応外です。

オルソケラトロジーのレンズ取り扱いと安全面に関する不安や疑問にお答えします。